『同じものがいいのに』 (特命戦隊ゴーバスターズ/リュウジ×ヨーコ)
「リュウさん、それちょうだい」
「ん、いいけど新しいの淹れようか? 砂糖とミルク欲しいでしょ」
「ううん、コレがいい」
言うなり飲みかけのブラックコーヒーを啜って眉間に皺を寄せる。
「……にがっ‼︎」
「はい、どうぞ」
予測していたとばかりに差し出されたチョコに、ヨーコは頰を膨らませた。
*
コーヒーを口にしたヨーコが渋い顔をする。
苦味に挑戦する姿を可愛いと思っていたのに、チョコを口に放り込んだヨーコが「リュウさんと同じのが飲みたかったのに」と呟くのが聞こえて混乱する。
え、それってどういう意味?
リュウジはコーヒーカップをいじりながら唇を尖らせるヨーコを見つめ、口元を覆った。