『怪我』  (特命戦隊ゴーバスターズ/リュウジ×ヨーコ)



「ヨーコちゃん、足見せて」
「……っ!」
 否応無しにブーツを脱がされ、足首を曲げ伸ばされたヨーコは苦痛に顔をしかめた。
 初めて現場で怪我を負ってしまい、それを知られたくなくて平気なフリをしていたのに、リュウジはあっさりと見抜いてしまって。
 手際良く応急処置をする彼は怒った顔をしている。
「……リュウさん、ごめんなさい」
 そう声を絞り出せば、リュウジは首を振った。
「上手くフォロー出来なかった俺のせいだよ。ごめん、次はちゃんと守るから」
 包帯を巻き終えると、リュウジは背中を向けた。
「帰って医務室で診てもらおう。さ、乗って」
 幼い頃によくおんぶされていた広いその背中。ヨーコがためらいがちに体を預けると、リュウジは難なく立ち上がって歩き出す。
 ゆらゆらと揺れる心地良さとリュウジの温もりに、ヨーコは鼻の奥がツンとするのを感じてギュッと目を閉じた。