『手を繋ぐ』 (特命戦隊ゴーバスターズ/リュウジ×ヨーコ)
付き合い始めて一週間が経った日曜日。ヨーコはリュウジの隣を歩きながら、彼をそっと見上げた。
少し遠出をしてランチを食べ、腹ごなしにと近くの公園を散歩して。目的もなくのんびり歩くことが新鮮で、ほんの少しの落ち着かなさを感じながら二人だけのデートの時間に心を浮き立たせる。
こうして並んで歩くのは当たり前なのに、今までとは違う。いつもより近い距離感に互いの手が触れそうになり、ヨーコはリュウジの手を意識した。
(手……繋いでみたいなぁ。手を繋ぐのって、どのタイミングで繋いだらいいんだろう……。突然手を握ったらビックリするかな?)
手を伸ばせばすぐに届くのに、そこにある手にどう触れていいのかわからない。
ヨーコが頭を悩ませていると、不意に指が絡め取られ、そのまま手を握られる。望んでいた行為とリュウジの大きな手の温もりに驚き立ち止まると、ヨーコは彼を見上げて目を瞬かせた。
「リュウさん、エスパーみたい。手を繋ぎたいなって思ってたとこだったの」
「だってヨーコちゃん、そういうサイン出してたし」
「うそ」
「ほんと。……でも、俺も手を繋ごうかどうか迷ってたから、嬉しかったよ」
「リュウさんも手を繋ぎたいって思ってたの?」
「そうだよ。タイミング見計ってた」
「なぁんだ。同じだね」
顔を見合わせて笑い、ヨーコは手を握り返す。
「じゃあ、これからは手を繋ぎたいなって思った時に繋いでもいい?」
「もちろん。俺もそうするから」
「うん、了解」
微笑むリュウジに手を引かれ歩き出したヨーコは、先ほどよりも彼の存在を近くに感じ、笑顔を浮かべた。