『洗濯物』 (特命戦隊ゴーバスターズ/リュウジ×ヨーコ)
「あ、リュウさんだ! ラッキー。これも一緒に洗濯して」
居住区エリアの一角にある共有の洗濯機。それに衣類を入れていると、ヨーコちゃんがやってきて、持っていたナイロンバッグを渡してくる。
「いいけど、使ってる洗剤とか柔軟剤、俺のと違うでしょ? 仕上がりの匂い違っちゃうけどいいの?」
確認すると、ヨーコちゃんはあっさりと「いいよ、お願いね」と答えて行ってしまった。
これくらいの年頃の女の子は洗濯物を異性のものと一緒に洗うことに嫌悪感を覚えることもあると聞いた事があるけれど、ヨーコちゃんには関係ないらしい。
兄代わりという気兼ねない距離感だからこそなんだろうけど、線引きが曖昧になっているのは気のせいだろうか。
「……まぁ、ついでだし一緒に回そうか」
残りの洗濯物を放り込み、ナイロンバッグからヨーコちゃんの服を出しながら洗濯機に入れていくと、シンプルなショーツが目に留まった。
女性の色香を感じるそれではないけれど、やっぱり本当の家族じゃない俺が年頃になってきた女の子の下着を触るのは何かとまずいでしょ……。
一人頭を痛めながら洗濯物を入れ終わり、指定された量の洗剤とか柔軟剤を入れて蓋を閉めると機械が動き出す。
それをぼんやりと眺めながらどうしたものかと考えていると、通路の向こうから『ヨーコー!』と彼女を探しているようなウサダの声がする。
「俺から言うのもなんだし、ウサダから言ってもらおうかな」
彼女のバディに託すのはずるいかもしれないが、面と向かって下着を……と話すのは気が引けて。
溜め息をつき、俺はウサダの方に歩き出した。