『新しい日に』 (特命戦隊ゴーバスターズ/リュウジ×ヨーコ)
「え、リュウさん来てくれないの?」
「うん。行かないよ」
私の高校編入当日。
誰よりも入学を喜んでくれたリュウさんは、柔らかく、でもハッキリと意思を感じさせる声で言った。
なんで⁉︎
そう叫びそうになって慌てて声を飲み込む。
リュウさんは『行けない』じゃなくて『行かない』って言ったんだ。何か理由があると思って「どうして?」と聞いてみると、リュウさんは優しく笑った。
「ヨーコちゃんが一人前の大人だからだよ。保護者の役割はもう終わりだなって思ったんだ」
「リュウさん……」
少し前の私だったら、突き放されたように感じて『離れていかないで!』なんて泣きついてただろう。でも今はわかる。リュウさんは私を信じて送り出してくれるんだって。
「……ありがと、リュウさん」
「うん。……あ、でも写真は後で送ってね。ヨーコちゃんの初登校の写真、アルバムにちゃんと入れたいから」
「あはは、了解!」
しんみりとした空気が一気に緩む。
こういう所は変わらなくてそれが心地いい。
私はリュウさんに向き合って背筋を伸ばした。
「ヨーコちゃん、行ってらっしゃい」
手を上げたリュウさんは私の頭を撫でようとし、途中で気付いて手を引っ込める。
なんだか少し寂しくて、でも子ども扱いはしないって気持ちが伝わってきて、私は笑った。
新しく始まる生活。リュウさんとの関係が少し変わった日。
「じゃあ、行ってきます」
私は手を振ってリュウさんの部屋を後にした。