『深夜、物思う二人』 (特命戦隊ゴーバスターズ/リュウジ×ヨーコ)
眠れない。
ヨーコは何度も寝返りを打ち、そして抱き枕をぎゅっと抱き寄せた。
明日は学校だというのに少しも眠気が訪れない。
眠ろうとする度にリュウジの言葉や彼とのキスを思い出し、嬉しさに心が揺れるのだ。
「どうしよう、眠れない……」
正確には寝るのが惜しいのかもしれない。
誰かを特別に想うことが、そして想いに応えてもらえることがこんなにも嬉しくて幸せで。
ヨーコは再び寝返りを打ち、緩む頬を手で押さえた。
「……あれはマズかったかな」
リュウジはベッドに体を投げ出し、髪をかき上げた。
告白され、ヨーコの想いを受けて彼女にキスをして。
唇を触れ合わせるだけのキスをするはずが、柔らかな唇の感触を何度も味わいたくなり口付けを重ね。そして薄く開いたその隙間から舌を挿し入れて深く求めた。
彼女にとっては恐らく初めてのキスだったというのに。
必死に応じようとするヨーコが愛しくてたまらなかったが、引かれてはいなかっただろうかと今になって不安に思う。
「嫌がってはいなかったし、大丈夫だとは思うけど……」
溜め息をつき、リュウジは顔を覆った。
(自制しないとな……。ヨーコちゃんはまだ未成年だし、それに一度箍が外れたら止められそうにない……)
横を向き、再び溜め息ひとつ。
今夜は眠れそうにないと、リュウジはベッドサイドの時計を静かに見つめた。