『未だ見ぬ気持ち』   (特命戦隊ゴーバスターズ/リュウジ×ヨーコ)



 放課後、机の中に入っていた手紙に気付いて指定された場所に行くと、一つ上の学年の男の子が私を待っていた。
 最近、登校の時に同じ通学路を通る事があって何回か会話をしたことがあったけれど。
 手紙で呼び出すなんて、まさか……と思っていると、「一目惚れしました、好きです」と告白されて言葉を失った。
 こんな時、どうしたらいいんだろう。
 思わず周りを見渡すけれど、いつも答えをくれるリュウさんやウサダの姿はない。
 自分で考えて断らなくちゃ……そう決意して、頭を下げた。
「ごめんなさい! 私、恋とかまだしたことなくて、そういうのわかんないし、それに……」
 なぜかリュウさんの顔を思い出して頭を振る。
「とにかく、気持ちは嬉しいけどごめんなさい」
「そっ……か。そうだよね。来てくれただけでも、ありがとう」
 そう言って笑顔を浮かべ、去っていく彼の背中を見送って息を吐いた。
「好きな人、か」
 ふと、エスケイプを思い出す。
 自らの身を投げ打ってでもその人の為に何かをしたいと願う。それくらい、大切で心を動かされる存在。
 いつか私らしい恋が出来るって陣さんが言っていたけれど、それはいつなんだろうか。
 特別な誰かを想う気持ち。
 私は胸に手を当てて目を閉じた。