『約束』 (特命戦隊ゴーバスターズ/リュウジ×ヨーコ)
「リュウジ、ちょっとウサダの肩揉んでもらえない?」
ブスッとした様子でウサダが背中を向ける。
バディロイドが肩なんか凝るのか? なんて思っても言ってはいけない。彼らは人間と同じ感情を持つ存在なのだから。
大人しく肩の可動部あたりをさすっていると、ウサダがポツリとつぶやいた。
「最近ヨーコ、どう?」
「どう……って、俺よりもウサダの方が知ってるだろ?」
「まぁ、大抵はね。でも知らないことも増えたから。リュウジと一緒にいる時のことは特に」
「ああ……。そっか」
ウサダの複雑な気持ちを理解する。
彼女が高校生になって、学校に行っている間は離れ離れで。二人が一緒にいる時間はただでさえ少なくなったのに、俺と付き合い始めて殊更にウサダがヨーコちゃんに関わる時間は減ったのだ。
「……ごめん。でも、ちゃんと笑ってるよ。泣いてないから」
「知ってる。リュウジはヨーコを泣かせたりしないし、大切にしてくれてるってことくらい。いつも嬉しそうにしてるし」
「うん。……けど、なかなか複雑だよね。俺が言えたことじゃないかもしれないけど」
「ホントにね」
「俺たちはずっと一緒にいて、でも人間は同じじゃいられなくて少しずつ変わっていく。それでも、一緒にいて欲しい。俺たちが年老いて死ぬときまで、ずっと一緒にさ」
「それって結構ひどいこと言ってるってわかってる?」
「そう、俺たちのワガママだよね。置いて行かれる辛さとか悲しみとかを押し付けることになる。ごめんな」
「……ホントひどいよね。でも、付き合ってあげるよ。だから長生きしてよ。ウサダもゴリサキも側にいるから」
「ありがとう、ウサダ。ヨーコちゃんのこと、幸せにするから」
「約束だよ」
「ああ、約束する」
ウサダの腕に触れて誓いを立てる。
ヨーコちゃんと俺と、ウサダとゴリサキと。
大切な俺たちのバディと一緒に、この先の未来を歩いていく――。