『報告 2』 (特命戦隊ゴーバスターズ/リュウジ×ヨーコ)
「ヨーコちゃんと付き合うことになったよ」
ニックのメンテナンスで訪れたエネルギー管理局。通路で行き合ったリュウジにそう報告され、ヒロムは柔らかに笑った。
「やっとですね」
「なに、『やっと』って」
「いや、ずっと思ってたんですよ。そうなったらいいなって。っていうか、義理の兄妹っていう関係にしては仲良すぎだったじゃないですか」
「仲良すぎ……か。そうだったのかな」
「そうですよ。まぁ、兄妹っていうより親子っぽい時もありましたけど」
「ちょっ……それは本当にやめて」
「冗談です。でも俺から見てリュウジさんもヨーコも、互いに必要な存在っていうか、なんていうか……支え合ってるように見えたから、これからも一緒の道を歩いてくれることが嬉しいです」
「……ありがとう。ヨーコちゃんのこと、幸せにしてあげないとな」
「今以上に甘やかしてどうするんですか」
「ヨーコちゃんはしっかりしてるけど脆いところもあるから。だから外で頑張ってるぶん、俺が受け止めてあげたいんだ」
「……ごちそうさまです」
これ以上はいっぱいだとばかりに肩を竦めるヒロムに、リュウジは笑った。
「ヒロムはどう? 大切な人が出来たんでしょ」
「まぁ……。こっちもいい報告が出来るように善処します」
「そっか。また話してよ」
「はい。じゃあ、そろそろニックのメンテ終わると思うんで失礼します」
「ああ、またな」
翻したヒロムが数歩歩き、ふと振り返る。
「リュウジさん、ヨーコの側にいてくれてありがとうございます。ヨーコは誰よりも幸せだと思いますよ」
爽やかな笑顔と共に告げられた言葉に、リュウジは不意に目頭が熱くなるのを感じた。言葉を返そうと思っても返せない。
そんなリュウジに目を細め、ヒロムは再び歩き出した。