『この想いと花束を君に』 (SO2/クロード×レナ)
君と出逢ってから八年もの月日が流れた。
今は亡き父さんの背中を追い掛けて、ようやく胸を張れる地位まで上る事が出来た。
帰り掛けに買った花束を手に、僕は帰路を急ぐ。
大切な故郷に別れを告げ、一緒に地球に来てくれた彼女にようやくプロポーズ出来る。
ずいぶんと待たせてしまったけれど、この花束と指輪は受け取ってもらえるだろうか……。
少しの不安を胸に、辿り着いた家の前で深呼吸をする。花束を覗き込むと、ピンクと赤の色鮮やかなチューリップが心を落ち着かせてくれた。
大丈夫、そう自分に言い聞かせてドアを開ける。
「ただいま、レナ」
「おかえりなさい、クロード。お仕事お疲れ様でした。……その花束は?」
「うん、レナにプレゼント。それからもう一つ受け取って欲しい物があるんだ」
ジャケットのポケットからジュエリーボックスを取り出し、レナに差し出す。
花束に続いてジュエリーボックスを受け取り、蓋を開けたレナの目が次第に潤む。
「クロード、これ……」
「長い間待たせてごめん。レナ、僕と結婚してくれるかな」
「…………はい」
小さく頷いたレナに指輪を取り出して彼女の指に嵌めると、幸せよと笑って僕を見上げる。
「僕も幸せだよ。レナに出逢えて良かった。この先の君の時間を僕に下さい」
「ええ、喜んで」
指を絡ませ、手を引き寄せて彼女を抱き締める。
レナがここにいる奇跡を誰にともなく感謝しながら、僕は彼女に口付けた。