『欲望に任せて口移し』  (スターオーシャン5/ヴィクトル×フィオーレ)



「あら、この果実酒美味しい……」
「ほう。私にも飲ませてくれないか」
 もう一口、とグラスを傾ける私にヴィクトルが声を掛ける。
 味見をしたいという彼を見て、ふいに悪戯心が湧き上がった。
 口の中に果実酒を含んだまま、立ち上がって彼との距離を詰める。どうしたんだといった様子の彼の肩に手を置き、私は唇を重ねた。
 薄い唇を食んで促すと彼は口を開き、深く口付けて果実酒を移し込む。
 コクリと喉が鳴り、私は口を離した。
「どう? 美味しい?」
「……ああ、香りも味もまろやかで好みだな。だが、今はそれよりもお前が欲しくなった」
 腰に回された手に引き寄せられ、彼の胸に抱かれる。
「ヴィクトル……」
 顔を上げると熱を帯びた瞳が私を見つめて揺らぐ。きっと私も同じ瞳をしているのだろう。
 唇を重ね、同じ果実酒で潤った口内を互いに味わう。
 私は彼の背に手を回し、優しくも熱を帯びたキスに溺れていった。










ヴィクフィオお題『欲望に任せて 口移し。』
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