『Promise of marriage』  (スターオーシャン5/ヴィクトル×フィオーレ)



「綺麗ね……」
 結婚装束に身を包んだミキを見て、フィオーレが目を細める。その瞳に涙が滲み、見る間に溢れ落ちた。
「フィオーレ」
 ハンカチを取り出して渡すと、軽く頰を押さえて彼女が笑う。
「嬉しくて涙が出るなんて不思議ね。けど、二人があまりに幸せそうにしてるから、なんだか感動しちゃった」
 また一雫、涙が溢れる。
 ふいにフィオーレの感情が伝染したかのように目頭が熱くなり、私はフィデルとミキを見た。
 二人とも柔らかな笑顔を浮かべ、寄り添っている。これまでも、そしてこれからも共に生きていくと誓い、支え合う二人の姿――。
 込み上げる感情に、フィオーレの手を取り引き寄せる。
「……私達も式を挙げないか」
「え……?」
「結婚しよう」
「どうしたの、突然……」
「驚かせてしまってすまない。だが、以前から考えていた。私はこの先の人生を共に歩みたいと思っている。もし同じ気持ちでいてくれるのなら、私の申し出を受け入れてもらえないだろうか」
 私の手を握り返し、フィオーレはミキに視線を投げた。
「そうね……。フィデルとミキの誓いの言葉を聞きながら思ったわ。私が結婚するとしたら、隣に立つのは貴方しか考えられないって。……私をお嫁さんにしてくれる?」
 私を見上げる彼女の頰を新たな涙が濡らす。
 その涙は何よりも美しく、目を奪われると同時に私も涙を流していた。
「……ああ」
 友人達の佳き日に将来の約束を交わす。
 頷く私の涙を拭い、フィオーレは柔らかに微笑んだ。










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